研究開発
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結晶高純度化技術

1) 再結晶化技術により品質を向上させる技術

再結晶技術と厳重な製造並びに品質管理により品質を飛躍的に向上させることが可能です。

(参考例) 弊社製品の再結晶前後における不純物含有量の変化
表は横スクロールできます
項目 分析例(再結晶前) 分析例(再結晶後) 分析方法
カルシウム 100ppm 1.0ppm 誘導結合プラズマ
発光分析法
鉄 0.1ppm 検出限界以下
(0.1ppm以下)
〃
マンガン 0.03ppm 検出限界以下
(0.02ppm以下)
〃
ナトリウム 2.7ppm 0.8ppm 原子吸光分析法
カリウム 4.4ppm 0.9ppm 〃

2) 高温高圧条件を利用した高純度化技術

100℃以上の高温高圧の水溶液を水熱溶液とよびます。オートクレーブを利用して水溶液やスラリー液を高温高圧の水熱条件にすると、高圧下ですばやく反応、結晶化がおこるため、水酸化マグネシウムの結晶化などは、通常の常温常圧条件での結晶化と比べて、結晶表面の凹凸のない、高純度な結晶を得ることが可能です。

高温高圧条件で結晶化
(電子顕微鏡写真)
(参考例) 高温高圧条件を利用した結晶化の実施例
表は横スクロールできます
項目 高温高圧条件で結晶化させた
分析例
常温常圧条件で結晶化させた
分析例
分析方法
水酸化マグネシウムの純度 99.7% 97.3% キレート滴定法
カルシウム 6.0ppm 87ppm 誘導結合プラズマ
発光分析法
鉄 3.8ppm 12.9ppm 〃
マンガン 1.8ppm 3.4ppm 〃
ナトリウム 41ppm 89ppm 原子吸光分析法
カリウム 21ppm 61ppm 〃

結晶の形態制御技術

1) 媒晶作用による形態制御技術

工業系の晶析操作においては、ほとんどの場合、溶液中に不純物が存在しています。 不純物によっては析出成分に作用し、析出結晶の特性や晶析現象を変えることがあります。 このような現象を媒晶作用とよび、影響を与える不純物は媒晶剤とよばれます。
媒晶作用のひとつに、媒晶剤が過飽和溶液内で成長している結晶種の特定面に付着し、 その面の成長を阻害することで、析出する結晶の形状がかわる場合があります。

■媒晶作用による硫酸マグネシウム7水塩の形態変化事例
高温高圧条件で結晶化
(電子顕微鏡写真)
媒晶作用により形態制御した
硫酸マグネシウム7水塩(その1)
媒晶作用により形態制御した
硫酸マグネシウム7水塩(その2)

2) 反応晶析による球状化凝集技術

反応晶析とは反応により粒子を生成する操作のことです。反応により過飽和度を生じさせ結晶核を発生させ、 同時に凝集させることで球状に結晶成長させる晶析法です。球状の難溶解性の炭酸塩や水酸化物等をつくることができます。

■反応晶析により得られた球状化した水酸化物の事例
反応晶析により球状化した水酸化マグネシウム
(電子顕微鏡写真)
反応晶析により球状化した水酸化物
(電子顕微鏡写真)

3) 高温高圧条件を利用した形態制御技術

高温高圧の水熱条件を利用する形態制御技術です。圧力の上昇により系の溶解度を小さくして析出させる晶析方法です。 水系の場合、高温高圧条件下で晶析が行われるため、常温常圧下では得ることのできない形態の単結晶体が生成します。 反応を伴う場合もあります。

■高温高圧条件を利用し生成した無機化合物の事例
針状の結晶形状の例
菱面体の結晶形状の例
六角板状の結晶形状の例

結晶核発生と結晶成長

晶析は結晶核発生と結晶成長の両現象が相まって起こる現象です。 飽和溶液を冷却して飽和点に達してもすぐには、結晶は発生しません。 過飽和度がある程度大きくなった所で初めて結晶核が発生します。 この結晶核が発生する点を過溶解度とよんでいます。 溶解度と過溶解度の間を準安定領域とよび、結晶核発生後、この準安定領域に入っていると結晶は成長します。 準安定域に入っていても過飽和度の強い条件だと析出する結晶径は小さくなります。 逆に過飽和度の弱い条件だと大きな結晶が得られます。 過溶解度は溶質の種類、結晶種の量、攪拌の程度等によっても変化します。 工業的な晶析では、再現性の得られる晶析条件を確立する必要があります。

[ 溶解度曲線と過溶解度曲線 ]
[ 結晶核発生速度と結晶成長速度の関係 ]

結晶化技術を応用した取り組み

高温高圧技術や反応晶析技術を応用して、物性や形態を変化させた製品開発に取り組んでいます。以下はその事例です。
平成19年度中小企業・ベンチャー挑戦支援事業に採択
題目:「難燃効果に優れた新規の無機系難燃剤の開発研究」
現在は、検討を終了しております。

1) 複合水酸化物

微細の水酸化マグネシウムにある化合物を混ぜ込み水熱反応させることにより、 水酸化マグネシウム単体より約50℃低温側で分解しはじめる複合水酸化物を実現。 また、離脱する水分量も水酸化マグネシウム単体より約6%多く含んでいます。
この複合水酸化物はポリエチレン用難燃剤として研究開発したものです。 ポリエチレンの発火温度および引火温度(350℃)に本水酸化物の特性がマッチしており、 従来の水酸化マグネシウム単体の難燃剤と比べ難燃特性の向上を狙っています。

複合水酸化物の電子顕微鏡写真(2000倍)

■示差熱分析(DTA) 分析結果一例
水酸化マグネシウム単体のDTA
複合水酸化物のDTA

表は横スクロールできます
項目 複合水酸化物分析例 水酸化マグネシウム分析例
水分量 36.8% 30.8%
分解温度 367℃ 420℃

2) 球状水酸化マグネシウム

飽和溶液中で反応させることで、結晶核が発生すると同時に凝集させる反応晶析技術で、球状の水酸化マグネシウムを実現しました。

球状水酸化マグネシウムの電子顕微鏡写真(200倍)

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項目 球状水酸化マグネシウム分析一例 分析方法
粒子径 ~100μm 電子顕微鏡
純度水酸化マグネシウム 98.7% キレート滴定法
強熱減量 30.1% 500℃ 3時間
カルシウム 0.01% 誘導結合プラズマ発光分析法
ナトリウム 0.05% 〃
カリウム 0.01%以下 〃
鉄 5ppm以下 〃

粉体加工技術を応用した取り組み

高機能化技術のひとつである粉体加工技術を応用することで、粒度や形状を制御した粉体の開発に取り組んでいます。以下はその事例です。

1) 微粒無水硫酸マグネシウム SSN-00

硫酸マグネシウム無水和物を特殊粉砕機にて微粉砕したものです。平均粒子径、約6μmの品を実現しました。

SSN-00の電子顕微鏡写真(2000倍)
SSN-00の粒度分布

表は横スクロールできます
項目 SSN-00分析例
純度(硫酸マグネシウム) 97.8%
強熱減量(水分) 2.2%
D50(平均粒子径) 6.1μm
D90 16.3μm

2) 超微粒無水硫酸マグネシウム USN-00

硫酸マグネシウム無水和物を特殊粉砕機にて超微粉砕したものです。SSN-00より更に細かく、平均粒子径3μm、10μmオールパスを実現しました。

USN-00の電子顕微鏡写真(2000倍)
USN-00の粒度分布

表は横スクロールできます
装飾
項目USN-00分析例 SSN-00分析例
純度(硫酸マグネシウム) 98.5% 97.8%
強熱減量(水分) 1.5% 2.2%
D50(平均粒子径) 2.9μm 6.1μm
D90 4.9μm 16.3μm

3) 表面処理微粒無水硫酸マグネシウム COAT-00

平成24年度ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金に採択
題目:「粉体加工技術を適用した高機能性無機化学製品の開発」
現在は、検討を終了しております。

無水硫酸マグネシウムは水に溶解すると溶解熱が発生します。無水硫酸マグネシウムを20%水溶液に溶解調整すると温度が40℃近く上昇します(発熱量91.2kJ/mol )。
無水硫酸マグネシウムは、医薬部外品原料規格2006の添加物リストにも記載のある化合物であり、トリートメントやスキンケアなどの化粧品関連商品の温感材料として応用することが期待されています。
化粧品関連商品に配合して使用するために溶解時間を調整する必要があります。このため表面処理剤による表面処理による溶解時間調整の検討を行っています。

COAT-00は微粒無水硫酸マグネシウムを、撥水性シリコーンで表面処理したものです。撥水性により水溶性の硫酸マグネシウムが水に浮かびます。撹拌し、時間をおくと徐々に溶解します。

図 COAT-00試作品(シリコーン表面処理品)の溶解熱測定結果(一例)